蟲師１０

蟲師（10） (アフタヌーンKC)

いつも通りのようでいて、最終巻。

最後だから大きな話があるのかと思えば、どちらかといえばいつも通り。
しかし、他の巻に比べるとどの話も蟲師らしい。
そういう意味では最終巻らしいのかも。

「光の緒」
天衣無縫という神秘さと、母が子を思う心

「常の樹」
蟲で不自由になりつつも、最終的に蟲と共存する。
御神木と言われるような大きな木は、その生きてきた年数を考えるとすごいね。

「香る闇」
どことなくミステリー。
甘く懐かしい花の匂い。
何度も繰り返す時間というのはおもしろい。
同じ時間なんだけど、繰り返した無数の途方もない時間。

「鈴の雫」
蟲師と言えば？とまでいえそうな何度も出てきて重要な存在である山の「ヌシ」。
今回のヌシは人。
生き物がヌシになるなら、人がならないこともないもんね。
そういえば、以前も人がヌシになっていた回があったかな。
でも、前回と違い今回は生まれた時からヌシ。ヌシとして生れてきた人。
山という未知の畏怖の対象。しかし、統べるものがいないと秩序が保てなく荒れる。
そんな設定も神秘的で素敵。
そして、理の大きさを実感。


こういう雰囲気がいいお話いいな。
どれにも最後はやってくるものだけど、終わるのはやっぱり残念でもある。

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